読書

重い物語の後に軽い物語を読むと無限に楽しめる

このブログは「イラストと雑記と読書感想」と謳っている通り3つの柱があるイメージです(雑記がイラストと読書感想以外の全てを吸収しているところがズルいですけどね!)。 長いことこのスタイルでやってると、新しい読書感想記事を書いた時に、関連記事で…

【読書感想】『十字架のカルテ』精神鑑定医が主役のミステリー

今日は知念実希人さん著の小説『十字架のカルテ』の感想を書こうと思います。 十字架のカルテ 作者:知念実希人 小学館 Amazon このお話は、精神鑑定医である主人公が、殺人を犯した犯人を相手に、相手が精神疾患なのか精神疾患を装って罪を軽減しようとして…

【読書感想】『元彼の遺言状』痛快なお話でサクッと読めた

図書館で予約してたら「ドラマ化決定」ってタイミングで順番が回ってきた小説の読書感想を今日は書こうと思います。 今からだと、また予約回ってこなさそうですねぇ。 荒川帆立さん著の『元彼の遺言状』です。 小説って、自分の読んだ作品がドラマや映画にな…

【読書感想】『わたしの美しい庭』そこは本当に本当に美しい

切なさやら優しい気持ちやら、いろんな感情をグッと持っていかれる小説を読みました。 このお話、余韻がすごいです。 そんな凪良ゆうさん著の小説『わたしの美しい庭』について、感想を書こうと思います。 あらすじ紹介程度のネタバレがありますのでお気をつ…

【読書感想】『クオリティランド』痛快ディストピア冒険コメディでした

人類がAIに支配され、虐げられてるとも感じずヌクヌクと暮らしつつ、いつの間にか人間としての尊厳を奪われてるってディストピアものは今や世間に多くあるかと思いますが、こんな痛快でコメディで下ネタなお話はなかなかないのでは!?って思わせてくれた楽…

【読書感想】『変な家』本当に変で怖い

帯に「不動産ミステリー」って書いてありましが、これはもはや「不動産ホラー」なんじゃないかと思ってしまいました。 あまりに怖過ぎて、早く真相が知りたくてものすごい勢いで読み切ってしまいました。 ジャンルとしては「小説」でいいのでしょうか?主人…

【読書感想】『硝子の塔の殺人』本当に本格ミステリのテーマパークでした

すごく面白いミステーリ小説を読みました。 まさにハラハラドキドキ、こんなにエンターテイメントとして楽しませてもらったのは久しぶりだなと思うくらい、特に後半は時間を忘れて読んでしまってたいへんでした。 知念実希人さん著の『硝子の塔の殺人』です…

【読書感想】『背中の蜘蛛』サイバー犯罪がテーマの警察ドラマ

ぼくらみたいな日々ネットを使って情報収集したり、なんなら個人で情報発信までしちゃうような人ならだれでもハマりそうな物語の小説を読みましたので今日はその感想を書こうと思います。 誉田哲也さん著の『背中の蜘蛛』です。 以下、あらすじ紹介程度のネ…

【読書感想】『ブレイクニュース』今の社会風刺がみっちり詰まった作品でした

思わず一気読みの小説にまた出会ってしまったので今日は感想を書こうと思います。 薬丸岳さん著の『ブレイクニュース』です。 あらすじ紹介程度のネタバレがありますのでお気をつけください。 ブレイクニュース (集英社文芸単行本) 作者:薬丸岳 集英社 Amazo…

【読書感想】『じんかん』大河モノって後半が寂しくないですか?

今日は今村翔吾さん著の小説『じんかん』を読み終えたので感想を書こうと思います。 「あーやばい、ページめくる手が止まらん」ってところまでのあらすじ紹介程度のネタバレがありますのでお気をつけくださいね。 じんかん 作者:今村翔吾 講談社 Amazon 舞台…

【読書感想】『クララとお日さま』SFの凄い小説を読んでしまった

今週のお題「読書の秋」 今日はぼく的にこの秋1番の小説の感想を書こうと思います。 カズオ・イシグロさん著の小説『クララとお日さま』です。 クララとお日さま 作者:カズオ イシグロ 早川書房 Amazon 以下、あらすじ紹介程度のネタバレがありますのでお気…

【読書感想】『兇人邸の殺人』清々しいほどのトッピングのメガ乗せ感

今日は続きが気になって一気読みしてしまった小説の感想を書こうと思います。 あらすじ紹介程度のネタバレがありますんでお気をつけください。 今村昌弘さん著の『凶人邸の殺人』です。 兇人邸の殺人 屍人荘の殺人シリーズ 作者:今村 昌弘 東京創元社 Amazon…

【読書感想】『三体Ⅲ: 死神永生』こちらの想像力を試される小説だと思いました

小学校の教室の後ろの棚って、自由に読んでいい本が並べてありませんでした? 歴史の漫画とか偉人の伝記とか、でも結局『はだしのゲン』を読んじゃってた記憶があります。 そんな棚にある小説で「面白くて最近ずっと読んでる小説があるんだ」と小3の娘が教え…

【読書感想】『私は真実が知りたい』ぼくも真実が知りたい、でも難しい

森友事件ってあったじゃないですか。 あれがぼくはすごく怖かったんですよ。 報じられてることが本当であれば、国家規模で嘘を貫こうとしているってことで、今後何を信じていけばいいかわからなくなるって話ですよね。 この件は、一瞬桜を見る話にとって変わ…

【読書感想】『網内人』このお話、物語の構成がすごい!

今年もまだ折り返しを過ぎたところではありますが、今年の個人的ベスト作にノミネートする小説に出会いました。 陳浩基(ちん・こうき)さん著の小説『網内人』です。 網内人 (文春e-book) 作者:陳 浩基 文藝春秋 Amazon 以下、あらすじ紹介程度のネタバレが…

【読書感想】『待ち遠しい』女に産まれてたらぼくは春子さんだったかもしれない

今日は柴崎友香さん著の小説『待ち遠しい』を読んだ感想を書こうと思います。 あらすじ紹介程度のネタバレがありますのでお気をつけください。 待ち遠しい 作者:柴崎 友香 毎日新聞出版 Amazon アラフォー独身女性が主人公 このお話の主人公である「春子」さ…

【読書感想】『お探し物は図書室まで』あかん…泣いてまう…

小説で久々に泣いてしまいました。 恋人が不治の病で余命幾ばくもなくて感動する系ではなく「良かったねぇ!」って涙が込み上げてくる小説を読んでしまいました。 青山美智子さん著の『お探し物は図書室まで』です。 お探し物は図書室まで 作者:青山美智子 …

【読書感想】『13・67』警察の推理モノが好きな人全員集合なお話

ドキドキハラハラな推理小説を読みました。 香港出身の小説家、陳 浩基さん著の『13・67』です。 13・67 作者:陳 浩基 発売日: 2017/09/30 メディア: 単行本 香港が舞台の物語なんです。 「ロー」さんという香港警察の警視が、とある大企業の社長殺害事…

【読書感想】『MaaS戦記』それはまさに戦記

今日は森田創さん著の『MaaS戦記』という本を読んで思ったことを書こうと思うんですが、この本が面白い構造になっていて、本の内容についての感想というより、この本を読んでの読書体験について書きたいなーと思います。 MaaS戦記 伊豆に未来の街を創る 作者…

【読書感想】『熱源』物語を「消費」すること

皆さん「アイヌ」と言えば何を思い出します? 最近だと「ゴールデンカムイ」がパッと浮かぶかと思いますが、ぼくくらいの世代だとサムライスピリッツのナコルルって方も少なくないのではないでしょうか? そんなアイヌをテーマにした小説を読んだ感想を今日…

【読書感想】『盤上に君はもういない』全員号泣物語にぼくも泣きました

今日は将棋のプロ棋士の話を描いた『盤上に君はもういない』という小説がとても面白かったので感想を書こうと思います。 帯に「全員号泣!」と書いてる通り、ぼくもウルっときました。 あらすじ紹介程度のネタバレがありますのでお気をつけ下さい。 というか…

読書感想『デルタの羊』アニメファンはみんな読んだほうがいい!

すごくワクワクする小説を読みました。 塩田武士さん著の小説『デルタの羊』です。 デルタの羊 作者:塩田 武士 発売日: 2020/10/07 メディア: Kindle版 ぼくがこのブログで読書感想記事を書く際、あまり著者さんのデータとかは記載せず、あくまで「ぼくがど…

【読書感想】『グレート・ギャツビーを追え』一気読みでした。

年末年始にめっちゃ面白いミステリー小説を読んだので感想書きます。 ジョン・グリシャム著の『「グレート・ギャツビー」を追え』です。 「グレート・ギャツビー」を追え (単行本) 作者:ジョン・グリシャム 発売日: 2020/10/07 メディア: 単行本 日本では「…

【読書感想】『アンと愛情』こーいう生き方も、アリだよなぁ。

今日は坂本司さん著の小説『アンと愛情』を読み終えたので感想を書きます。 アンと愛情 和菓子のアン 作者:坂木 司 発売日: 2020/10/21 メディア: Kindle版 いつも通り、あらすじ紹介程度のネタバレがありますのでお気をつけください。 …といいつつ、この小…

【読書感想】『青春のジョーカー』それは確かに切り札だ…!

今日は奥田亜希子さん著の小説『青春のジョーカー』を読み終えた感想を書こうと思います。 青春のジョーカー (集英社文庫) 作者:奥田 亜希子 発売日: 2020/12/18 メディア: 文庫 この小説、10代男子の傷を的確に抉ってきます。 「あーそれわかるー!」「身に…

【読書感想】『明け方の若者たち』ぼくも昔は若者でしたよ

今日は読んでて苦しくなるけど、その苦しさを味わいたいっていうか、その苦しさが刺激でシュワシュワ来るっていうか、そういう炭酸水みたいな小説を読んだので感想を書きます。 カツセマサヒコさん著の小説『明け方の若者たち』です。 明け方の若者たち (幻…

【読書感想】『魚雷人間』一緒にわけのわからない世界に行きませんか?

今日も今日とて面白い本を読んだので紹介させていただきます。 まけもけ (id:make_usagi)さん著の小説『魚雷人間』です。 魚雷人間 作者:まけもけ 発売日: 2020/10/24 メディア: Kindle版 ぼくがこのブログで読書感想を書く時は、あらすじ紹介程度のネタバレ…

【読書感想】『女帝 小池百合子』すごい本を読んでしまった

方々で話題になってて、都民でもないのですが気になったので読んだらすごい本でした。 女帝 小池百合子 (文春e-book) 作者:石井 妙子 発売日: 2020/05/29 メディア: Kindle版 著者さんが4年かけて周辺の人へ聞き込みを行った結果集まった声と、そこから見え…

【読書感想】『カササギ殺人事件』ミステリーの美味しいとこてんこ盛り小説でした

めっちゃエンターテイメントな推理小説を読みました。 アンソニー・ホロヴィッツさん著の小説『カササギ殺人事件』です。 あまりにワクワクしながら読んだのですが、この作品の魅力をお伝えするためには物語中盤、ちょうど下巻の冒頭にあたる部分に明かされ…

りと10歳、こんなに大きくなりました

前回60歳になった時の話をしたばかりだというのに今日はぼくは10歳だったということに気がついたお話をしようと思います。 きっかけは加藤締三さん著の『「大人になりきれない人」の心理』という本を読んだことでした。 「大人になりきれない人」の心理 (PHP…