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ハケンアニメ!て小説が面白かった。

 

ハケンアニメ!

ハケンアニメ!

 

 本屋さんで、ハードカバーの小説を置いている棚に子どもの頃から見慣れたCLAMPさんのイラストがありました。それが「ハケンアニメ!」というタイトルの小説だったのですよ。

タイトルのイメージから、アニメ業界で働く派遣労働の身分の人たちの蟹工船的な物語かと思って読み始めたのですが、違ってました。

あるクール内で放送されたアニメの中で一番視聴者にウケたアニメのことを、そのクールの覇権アニメと呼ぶんだそうで、その覇権アニメがこの物語のテーマ。そんな言葉があるとは知りませんでした。
その覇権アニメに関わる3人のヒロインと、そのパートナーになる男性とのすったもんだを描いたオムニバスストーリーとなっていました。

1人めの女性はアニメプロデューサー。10年前にメガヒットを産み出したものの、その作品を超える作品を作ろうともがいてスランプに陥っているアニメ監督と新しいアニメ作品を作りましょう!って物語。
2人めの女性は、たくさんの人に生きる活力を与えられるような作品を作りたいと考えている女性アニメ監督の、アニメ番組からいかに会社の利益を生み出すかを最優先に考える敏腕プロデューサーとの価値観の戦いの物語(でもほっこりもあるよ的な)。
3人めの女性は、地方にスタジオを構える製作会社に勤める、ネットで話題になっている神原画を描くアニメーター。お相手はアニメの聖地巡礼がもたらす経済効果に目をつけたものの、アニメには全く関心がない町役場の上司からすべてを丸投げされた、これまたアニメのことはさっぱりわからない地方公務員っていう組み合わせ。

いやー面白かったんですよ。
アニメ業界の話かと思いきや、男性中心でつくりあげられてきた日本社会の中でがんばる女の子たちの物語って感じでした。

そして、3つのエピソードはちょっとずつリンクしていき、最後にはみんながそれぞれの仕事でそれぞれの働きがいを再確認するというすっきりハッピーな物語。

昔アニメが大好きだった、今は一生懸命社会で働いてるひとが読むととてもいいと思いました。というか、ぼくがそういう過去と現在の自分の差を楽しみながら読んだからかもしれない。

おすすめです。