僕も小説は書けないけどこの本は面白い

「ものがたりソフト」というプロット作成のソフトが世の中では生まれつつあるんですね。ついにIT技術は創造活動をするときのサブ脳となるに至ったのか!?まるでジャーヴィスだな!!と胸が熱くなったりもするのですが、そんなサイバーでデジタルな背景とは裏腹のピュアでボーイミーツガールな小説を読みました。

僕は小説が書けない

僕は小説が書けない

 

昔から本が好きなんだけど、ちょっとした理由があって中2をこじらせちゃった高校1年の主人公の男の子が、文芸部にスカウトされてって感じで話が始まります。

すごく壮大なものがたりが展開されるわけではなく、主人公が自分の悩みに落とし所がつけられるのか?文芸部に誘ってきた先輩のヒロインとどうなるのか?を追っていく話です。

でも、高校男子の世界って、悶々とした自分の内面の葛藤と女の子のことで世界は構成されているので、この話はそのまま「文化系男子高校生の世界のすべて」みたいに見えて、こちとら「ああ身に覚えがあるな」って感じです。ぼくは年上より年下が好みだったけど。

不思議ですよね、世界は案外シンプルなのに、自分でわざといつの間にか複雑怪奇なものにしてしまう。それが若さか!

登場人物とかライトノベルっぽいなー、と感じたりもしましたがそれがかえって読みやすくて、エンターテイメントとしてすごく楽しめました。

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