社会の荒波に疲れた時、映画が観たくなるんですよ。
しかも、できればあんまり頭を使わず「ぼーっ」と眺めてアハハと言いたい。
そんな頃合いにドンピシャな映画でした。
くだらない…くだらなすぎる。
そのくだらなさがクセになる。
売れないバンドのベーシストをしているスコットは、ナイヴスっていう中国人の現役女子高生彼女がいるくせに、ライブハウスですれ違ったクールでエキセントリックなラモーナって女の子に一目惚れをして口説いちゃんですよ。
そしたらその途端、ラモーナの元恋人と名乗る奴らが次々とスコットに襲ってくるっていうよくわからんストーリーです。
一人目の元恋人はライブハウスの天井をぶち破って登場し、突然中国の武侠モノのような、もっというとポリゴン全盛期のプレステ風格ゲーみたいなバトルをスコットと繰り広げるんです。最後には魔女を召喚して攻撃してと「ああ、この映画はこういう世界観で行くのね」と腹をくくらされる羽目になります。
その後も、菜食主義を貫いて超能力を得た人や、るろ剣の「刀狩りの張」が持ってる「薄刃の太刀」みたいなので攻めてくる人とかいろいろ出てきて、スコットは空高く飛ばされたり、壁をぶち破ったりしながらバトルを展開します。
どう考えてもさえないバンドのベーシストの身体能力ではないのですが、そこは完全にスルーです。ついにはスコットは自分の胸からウテナよろしく剣を抜いたりもする。
が、そんな細かなことはほっといて「このくだらなさをみてください」というオーラがとても気持ちいいです。そして細かく散りばめられたギークな小ネタに「ニヤリとしてくださいね」というメッセージも感じて楽しい。
「ああ、明日も頑張ろうかな」と元気をもらえる映画でした。