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「キャプテンサンダーボルト」がめちゃめちゃ面白かった

本の感想

どうも。最近笑えるくらい忙しかったぼくです。

そんな日々ですが、現実逃避を求めてちょっとずつ本は読んでました。

この本の主人公2人はぼくなんかよりよっぽど逃避したい現実と戦う設定でした。

 主人公の1人、相葉は後輩の女の子が悪質芸能事務所から抜け出すのを手伝ったことがきっかけで巨額の借金を背負ってしまいます。急いでまとまった金が欲しい相葉は、インチキ健康水の詐欺師を騙してがっぽり儲けてやろうとしたらちょっとした手違いで、表情ひとつ変えずに人を殺せる謎の結社の「謎の水」の取引と関わってしまい、命を狙われる羽目に。やめればいいのに謎の組織の取引現場で偶然手に入れたスマホを「この中には大金に変わる情報が隠されているにちがいない」と持って逃げ回ることにします。

そんな謎の組織から逃げる道すがら、少年野球で一緒に眩しい子供時代の思い出を一緒につくったものの、次第に自分はチンピラのようになっていったため距離ができていき、高校時代のある出来事で決定的に仲がダメになってしまったかつての親友、井ノ原とばったり遭遇。「危険はないからちょっとだけ手伝ってくれ」と逃走の手助けを頼んだものの、がっつり巻き込んでしまいます。

迷惑そうな井ノ原も、実は息子が謎の難病で治療のために莫大な借金を抱えていて、井ノ原のちらつかせる大金の臭いを無下にできず、結局ふたりで謎の組織の刺客から逃げつつ、スマホに隠された謎を解明していく冒険が始まるのでした。

という話です。

宝石のような子供時代の思い出と、しょぼい現在っていう構図は20世紀少年みたいです。まあ子供時代の思い出に物語の謎をとく鍵はないのですけど。この構図が、日々の現実と戦う大人にはぐっとくるものがありますよねー。「あの頃のおれはこんな大人に自分がなるなんて思ってなかった」的なやつ。ああわかる。

着々と歩み寄ってくる刺客をかわしながら、スマホに隠された謎を解いていくスリルがすごく読ませるんですよ。そして一見関係ないような事柄が、ちょっとずつ関連しながら、よく目にする比喩なんですが「パズルのピースが揃っていく」感じを味わいながら読むことができます。これが楽しい。キーワードは、「第二次世界大戦東京大空襲で部隊を離れて蔵王で墜落したB29」「少年時代毎週楽しみに見ていた鳴神戦隊サンダーボルトの突如上映中止になった劇場版」「地元で流行していた病原体村上病」。これらに関わる事象が複雑に絡んでふたりはいま謎の刺客に追われている。って、なんかこれだけでワクワクじゃないっすか?ぼくの語りがイマイチだとあんまりワクワクしないですか!?すみません!

そしてふたりの逃走には一匹のカーリーコーテッド・レトリーバーと一人の美女が同伴するとろこがまたベタなのですが、そのベタさが「まさに王道」って感じの味付けでいいのです。

すっかり疎遠になってしまった、現実に疲れ切ったかつての親友ふたりが協力して、自分たちがかつて憧れていたヒーローになっていく。ああいいなあ。これぞエンターテイメントだなー。

よし今日も頑張るっす。