読んでると鬱な気分になるのに読むのをやめられなかった「その女アレックス」

去年すごく話題になってた本を「今年も残すところあと1ヶ月ですねー」てタイミングで読むこのマイペースさがぼくのアイデンティティーです。

その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

 

「101ページ以降の展開は、誰にも話さないでください」という帯もめっちゃ気になり「なんかすげー話題になってたなー読んでみるかー。」と何の予備知識もなしに読み始めたらひどい目にあいました。

この物語は、アレックスっていう30歳の美女とカミーユという50歳の敏腕警部の2人の視点が交互に描かれます。冒頭でアレックスは、謎の男に暴行のうえ拉致監禁されます。そして「お前の死ぬところが見たい」と言われます。ここまでで既に相当痛いシーンが続きます。ひどい…。

そして「女性が誘拐された」という一般からの目撃情報が警察に届き、カミーユが担当することになります。カミーユは最初、この事件の担当を嫌がります。なぜなら、4年前に妻を誘拐され殺害されているからなのです。

過去のトラウマと戦いながら、なんとか被害者を助けようと奮闘するカミーユ編と、「痛いシーンが多いからちょっとページ飛ばしちゃおうかなー」って思っちゃうくらいのアレックス編が交互に展開されるもんだから「カミーユがんばれ!早くアレックスを助けてあげて!彼女のHPはもう0よ!!」とついつい感情移入させられます。ちょっとエキセントリックなくせに、妻との生活は普通の男として本当に幸せだったんだな、それなのに奥さんそんなことなったらそりゃ辛いわな。今回の事件も重ね合わせちゃうわなー。とカミーユを応援したげたくなります。アレックスも「普通の人間ならこりゃあっという間にギブアップでしょう」という過酷な状況に置かれるのに、必死に堪えます。読んでる側も事件の解決を願いながらドンドンページをめくる羽目になります。

そして気が付いたら101ページです。そしてこの本のトラップが発動します。

101ページ以降「あれあれ?え?あ、そーいう展開!?」という感じが始まり、同じ驚きがラストまで繰り返されます。すごい仕掛けです。

なので、そのトラップにあえてドップリとはまって「してやられたー!」って気持ちを楽しむとすごくいい感じです。急スピードで話が二転三転していくので「このあとどうなるのだろう?」「ラストはどう落ち着くのだろう?」と最後まで読まずにはいられなくなります。

残酷描写が多いので、読んだ後幸せな気分になりたい人には勧められませんが、ぼくは「読んでよかったなー」と思いました。