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そうだ美術館に行こう「ジヴェルニーの食卓」

本の感想

ジヴェルニーの食卓は、思わず美術館に行きたくなる本なんですよ。

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)
 

美術作品の鑑賞方法の二項対立に「予備知識なしにその作品から世界観を味わうか」と「 制作された背景や、作家の心情について知ってから作品と対峙するか」ってのがありますよね。

一口含んだだけでその物語が脳内に広がる、みたいな一流のワインのテイスターではないぼくみたいな凡人は、後者が好きなんですよ。「予備知識が邪魔してその作品自体が生み出すパワーを感じられない」なんて意見もあるかと思うんですが、作家がどんな人生で、その人生のどのタイミングで描いた作品なのか、作品の中に登場するモチーフにはどんな由来があるのか、そいう補助線を持った状態で美術作品と向き合うのが好きなんですね。「あーなるほど」「おーそういうことか」みたいな喜びがあるんです。

そういう、ぼくみたいな美術館の楽しみ方が好きな人にぜひおすすめなのがこの本です。

この本は、マティス、ドガ、セザンヌ、モネっていう誰でも一度は聞いた事があるような西洋絵画の巨匠の、その周辺の人たちが見たそれぞれの巨匠の姿を描いた短編小説なんです。

どんな視点かっていうと、マティスの家で働くメイドさん、ドガと友人でライバル的画家、セザンヌが通った画材屋の娘、モネの再婚相手の娘、って感じで、画家との距離感が絶妙なんですよね!主観でも客観でも観れる距離。そして、それぞれの話にまつわる作品が1つずつ登場してきてて「ああ、あれかー」なんて思いながら読むとまた楽しい。

個人的には特に、ドガの「エトワール」が好きです。絵が有名なドガがつくった彫刻作品。この作品に込められた情熱とか闘志。

やっぱ芸術っていいな!