「異類婚姻譚」は「似た者夫婦」に対する「違和感」を訴える本だった

いやー今週は月火水と出張に行ったため、木金は職場に溜まった仕事と格闘する羽目になり、あっという間の土曜日でござんした。

こんなささくれた心にビタミンを投入するため持ち歩いてちょびちょび読んでいた本が、芥川賞受賞作「異類婚姻譚」です。が、結婚8年目を邁進しているぼくにとってめっちゃ考えさせられる本でした。

異類婚姻譚

異類婚姻譚

 

主人公は専業主婦のサンちゃんです。サンちゃんは激務のOL時代から逃れるように、イケメンではないものの、稼ぎはしっかりしているが反動(?)で家ではダラッダラのダンナと結婚して4年目です。

最近、自分の顔がダンナに似てきたように感じるそうな。

この「似ている」というのが、雰囲気とか感覚の話ではなく、鏡の前で目鼻が動いている、顔のパーツが自分の顔を忘れている、と表現するあたりがこの物語はめちゃめちゃシュールです。

この感覚、どこかで感じたことがあるな、と思いを巡らせると、子供の頃みた「まんが日本むかし話」 の感じに似てるように感じました。

「まんが日本むかし話」って、ほっこりする話ばかりではなく、たまにもののけや妖怪のようなものにだまされて、おじーさんやおばーさんが行方不明になったり、人ならざるものになる、不幸になる話とかあったように記憶してるんですね。でも、絵柄や雰囲気はいつものほんわかしたまんが日本むかし話調で、幼心ながらに、こころがザワザワした思い出があるんです。

この話、あれになんかにてるんです。

ロボット掃除機や食器乾燥機が働いてくれるので、主婦らしい仕事は特になく、子供も授かる気配がないもんだから育児もなく、だからといってこれといった趣味もない、そんな日常を淡々と過ごしていくサンちゃん。傍らには、家ではひたすらダラダラしたいダンナ。そして顔が似ていき、輪郭が溶け合っていく二人。

最後に待っている結末とは…!?

「やっぱり結婚なんてするもんじゃないな」とか「結婚するってそんなことじゃないよ!」とか、好き嫌い、というか賛否両論を巻き起こしそうな、エッジの効いた本だなー、って思いました。

ちなみにぼくは、「いいこともわるいこともあるけど、噛み締めて経験値蓄えて、結果いい距離感を掴めれば、夫婦っていいものだよ。」とか、20代の若者にお酒がまわたときに結婚の話になったら答えてます。