一見、現実世界に失望してたら異世界に行っちゃう系の物語ですが仕掛けが面白いなーと思いました。

いやー、気が付いたら前回の記事に「5日前」とか書かれててビビりました。

ここのところ、ちょっと仕事が立て込んでましてぼく頑張ってました。んで休日は奥さんのショッピングにおつきあいしてたりしたもんで、もうあっという間でした。体感的には3日くらい?

そんな中でも癒しを求めて持ち歩いてた本が「僕のつくった怪物」って物語です。

僕のつくった怪物 Arknoah 1 (集英社文庫)

僕のつくった怪物 Arknoah 1 (集英社文庫)

 

アールくんとグレイくんという兄弟が主人公です。

ちなみにヒロインの名前はリゼ・リプトンさんということで、FF7チョコボ育成ミニゲームで片っ端から紅茶の名前をチョコボにつけてた紅茶好き系サブカル男子の好感度をきっちり取りに来られてしまいました。

父親の事故死がきっかけで、学校でいじめられっ子になってしまった兄弟のアールとグレイは「これ以上大好きなお母さんに悲しい思いをさせたくない」と、いじめられてることをひた隠しにしながら生活している健気な兄弟です。

でも日々繰り広げられる執拗ないじめに「そろそろもう限界かも…」てなってたある日、「アークノア」という不思議な絵本をお父さんの書斎で発見します。

現実逃避ついでこの本について調べ始めるふたりは、ある出来事がきっかけで異世界(というかアークノアの中)に迷い込んでしまうんです。

この「現実世界に失望する→異世界でヒーローになる」て図式のお話っていっぱいありますよね。

ただ、この物語の面白いところは、その図式を下敷きにしながら面白い独自設定がたくさん散りばめられてるってところなんです。

例えば、アークノアの住人たちは成長しないし変化しないんです。妊婦さんはずっと妊婦さんのまま、子供はずっと子供のまま。そしてアークノアは広大な世界が「部屋」という形式で区切られていて、あるところまで移動すると突然壁があり、壁についた扉を開けて隣の部屋に移動するって世界なんです。

住人たちに個別の設定が与えられていて、世界を移動するときに画面が切り替わる。なんかRPGの世界観をそのままトレースしてるみたいに感じて面白いなーって思いました。

そして、そんなNPCしかいない世界にたまに迷い込むのが現実世界の子どもたちで、ひとり迷い込むたびにその子が原因で世界に歪みが生じて怪物を一匹生み出してしまうとのことなんです。この怪物は迷い込んできた子どもの負の感情が具現化したものってイメージで、その怪物を倒さなければ現実世界に帰れないんですね。そして今回は「お父さんが事故死したせいで学校でいじめれてる兄弟ふたり」がいっぺんにやってきてるわけで、怪物の凶悪さはかなりのもんです。なのでアールとグレイは大冒険です。

これも、ゲームの電源入れたら突然「お前は勇者だ魔王を倒せ」って言われるRPGを彷彿とさせてワクワクします。

さらにさらに、これはネタバレになるので伏せますが、迷い込んだ子どもと、アークノアの住人たちと、生まれた怪物の相関図というか関係性が、ここも一捻りあって面白いんですよ。

「現実世界に失望した子どもが異世界で冒険する」って設定には、まだまだこんなに引き出しがあったか!!って驚かせてくれる、楽しい冒険活劇でした。

現実がしんどい、なんかトリップしたいってときにオススメの本です。