「サブマリン」を読んだ。殺人事件の「もしも」な弾幕を受けた。考えるわー。

 ずるい本ですよー。読んだ人にめっちゃ悩む宿題を残す話ですよー。

サブマリン

サブマリン

 

会社を遅刻するサラリーマンは、社会人としてダメですね。でも、その遅刻した理由が「困ってるおばあさんを助けてた」 とかだったら…みたいなのを延々と繰り返すのは、高橋しん先生の名作「いいひと。」ですね。大好きな漫画です。

いいひと。―For new natural life (1) (ビッグコミックス)

いいひと。―For new natural life (1) (ビッグコミックス)

 

「サブマリン」はこれと似た話が出てきます。主人公は、未成年の犯罪に関わる仕事をしている家裁調査官の陣内さんと武藤さんの二人です。

今回の事件は「無免許運転で車を乗りまわした末に、ハンドル操作をしくじって人を殺してしまった少年」です。

なんかワイドショーとかでよく見かけそうですよね。んでみんなして「なんてひどい!同じ目にあわせてやればいいのにー」って盛り上がりそうな話ですよね。

このお話は、そんな事件を起こした少年の身辺について知ってくうちに「実は家庭がこうでした」「実は過去にこんなことがありました」みたいなことが、もうそれは複雑に絡みまくってるんですね。

「殺人は悪である」これは間違いない。でも「もしも◯◯って背景があったら?それでも犯人を悪人だと言えますか?」という案件を次から次へと積み上げられていく、そんなお話なんですよ。

次第に試されてるような気分になってきます。「アナタどこまで殺人は悪だと胸張って言い続けられますか?」と。

そしてラストで放たれる、強烈な「もしも」 。ずるいよー、その「もしも」はずるいよー。

もう1つの大事なメッセージは「ニュース記事の上辺だけ見て条件反射しちゃいけないよ」ってことですよね。何か事件が起きた時「ひどい話ですねー、犯人をちゃんと罰して欲しいですねー。」って一通り盛り上がって消費して終わりにするんじゃなくて、なんで起こったか、次起こらないようにするにはどうしたらいいか、ってじっくり考えることが大事なんでしょうね。