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時間があるときにゆっくり楽しむのがいいと思う「オービタル・クラウド」

すごく面白い本を読みました。でも「すごく面白い!」と思えるまで100ページほど読みました。今日はそんな小説について書きます。

なぜ魅力を感じるまで100ページほどかかったかというと、このお話、登場人物が多いんですね。そして、それぞれの登場人物のシーンが次々と入れ替わりながら、一つの事件を追いかけていくんです。なので、その関係性をちゃんと理解しながら読まないとわけがわかりません。これは、ぼくの読書スタイルの問題です。本をカバンに入れて持ち歩いて、時間があるときに少しずつ読んでるからです。

でも、このお話の魅力はそれではもったいないです。後半の展開とかすごくかっこいいので、正月休みとか「親戚とのおつきあいも一通り終わったなーあとの休みはなにすっかなー?」ってときに是非オススメしたいです。あ、あと「SFが大好物です!!」って人にもオススメです。藤井大洋さんの「オービタル・クラウド」って本です。

オービタル・クラウド

オービタル・クラウド

 

面白さを説明するために、少しだけネタバレをしますね。

舞台は2020年の年末です。宇宙開発事業は、採算が合わないことからどんどん予算が削減されていて、最先端技術は民間の、例えばITなんかで財をなした一部の億万長者の道楽の方がよっぽど進んでるって状態になっています。 

そんな時代に、ある企業の社長が、自前で人類初の宇宙ホテルを作り、そこに娘と二人で一週間滞在するってイベントを世界に向けて発信しました。そんな話題が世間を賑わわせてる中、別の金持ち宇宙オタクが、イランが発射した宇宙ロケットが、軌道をそれていることに気づきます。ちょうどイランから世界に向けて宣戦布告とも取れる声明がネットで出回ってたこともあり、「これって宇宙ホテルを狙ったイランのミサイルテロなんじゃね!?」と記事をつくり自分が運営しているサイトにアップします。

この記事を目にした、日本で「メテオニュース」という宇宙関連のニュースサイトを運営する、フリーランスのWeb屋で主人公の「木村和海」くんと、一緒にに働いているエンジニアの「沼田明利」さんは、記事の中にある観測データから奇妙な現象を読み取ります。望遠カメラでは映らない、ごく小さな、でも不思議な動きをする物体の存在です。

「これはおかしい、なにかが起きている。」と個別に調査を開始する二人は、自分たちでは手に負えない事態になりかねないと知人のJAXA職員に助けを求めます。

この謎の物体、打ち上げたのは元JAXA職員で、今は北朝鮮工作員の白石蝶羽。白石が打ち上げた謎の物体に気づいた和海くんと明利さんは、JAXA職員や、北米航空宇宙防衛司令部、CIAなんかの力も借りながら、自らの野望のためにJAXAをやめ北朝鮮に身を置いて動く白石を相手に、地上から宇宙に浮遊する物体を巡って互いに顔の見えない情報戦を繰り広げるわけです。

と、これだけの登場人物がそれぞれの思惑とともに行動し、それらが代わる代わる語られながら次第に一つのエピソードにまとまっていく様は、最初は「うーん?あの人がこの立場でこうなって」と読んでたお話が。「おおおおおお!!」となっていくわけです。

いやー、面白かった。

やっぱ宇宙ってロマンがありますね。