phaさんというと、ぼくらロスジェネ世代にとっては「こーいう生き方もあるんだ!?」という、広く一般にはモデルにならないけどある種モデルケース的なところがあった方ではないでしょうか?
京大を卒業しながらもニートで、でもとても楽しそうで、ネットに公開されてるそんな生活をよくよく観察してみると実は実業家みたいな動きをちゃんとされていて、みたいな、そんな方だと認識してました。
YouTubeとかが今みたいに普及する前に、今の配信者みたいなことをされてたような、ぼくみたいな薄いネットリテラシーの人間には映っていました。
そんな方が、自身のミッドライフクライシスについて赤裸々に語られてるということで、先日も書いた「なんか夏以降、あんなに好きだった小説が読めなくなった問題は、もしやぼくもミッドライフクライシスなのでは?」とか思って読んでみた次第です。
本全体に流れているテイストは「若い頃あんなに楽しかった、あんなことやこんなことが、楽しくなくなってしまった、面倒くさくなってしまった」という心境を語られていて「ぐぁーわかるぅー!」と終始思わされっぱなしの本でした。
若い頃「守りに入る」という言葉が嫌いでした。
ずっと成長していきたいと思っていたのですが、そしてその気持ちは今も根底は変わってないのですが、もう少し緩やかになったというか、ぼくの場合はコロナ禍に一回完全にバッキリ折られてしまった感があって、そんな時に40代を迎えて「これからは無理なく行こう」ってマインドに完全にスイッチが切り替わってしまいました。
この本は、ミッドライフクライシスに対して「こうするといいよ」みたいなことは書かれてなくて「もうそーいう歳なんだから仕方ない」みたいな語りで、悪く言えば傷の舐め合いみたいなものなんですが、この「1人じゃないよ感」が、実は閉塞だの分断だのとやいやい言われる昨今には、本当に心に沁みるなぁ、なんて思ったりしたのでした。