なんで読もうと思ったのかよくわからないのですが、なんとなく手に取ってみたら、すごく面白い内容の本だなーと思って、一気に読んでしまったのですが、酒井順子さん著の『消費される階級』という本を読みました。
あ、書きながら思い出したんですが、ぼくがいわゆるロスジェネって世代の尻尾の方で、そういう言葉で括られることになんかもやっとするところがあり、そんな心のヒントになればいいなと思ったんでした。
内容としましては、コンプラ、多様性、ダイバーシティなどなど平等を重んじる世の中になり、かつてあれだけ使っていた、モテ、愛され、勝ち組負け組、イケメン、なんて言葉がタブーになってきた昨今、表向き言葉は封印されたけど、人々のこういった心情は水面下に潜ったよね、ってなあれこれについて書かれていて、とても興味深かったです。
先に書いたモテ、愛され、勝ち組負け組、イケメンなんて言葉は、他者から自分に貼られるラベルであることが多いわけですが、そう言った基準がなくなることで、自分を見失ってしまうって新たな問題も起きてるよね、って感じの指摘も書かれていて「確かに…!」と思ったりしました。相対評価ができず、絶対評価のみになると、自分の軸がしっかりないと漂流してしまうってことか、というのは気づきでした。
とはいえ、安易な言葉で人をラベリングしてしまうのも安っぽい人間関係って感じがしてそろそろやめたいものですし、これはこれで難しいなぁ、と思います。やっぱり、人間関係ってのは、一人一人とじっくり膝を突き合わせて語り合うってのが大事なのかもしれませんね。
著者さんが女性なので、未だ消えない男たちの無自覚な女性のランクわけ、みたいなお話も多く、職場に年下女性も多くなってきたおっさんとしては、気をつけねばな、とも思った次第です。