『センスの哲学』を読みました

去年の夏くらいから、小説の物語が上滑りして入ってこなくなっちゃった、みたいなことをちょっと前に書いてから、症状が出て以降に読んだ小説以外の本の読書感想を立て続けに書いてみるってのをやってます。

小説はうまく読めないんですが、紙の本をペラペラとめくって字を追っていくって時間は相変わらず大好きなんですよね。

今日書こうかと思ってるのは千葉雅也さん著の『センスの哲学』って本です。

普段の会話で「センスいい服着てますね〜」とか「そのお土産センスいいですねぇ」とかいうあの「センス」の尺度とはなんぞ?という問いに対して、科学的というか、ある程度の根拠を示してくれる本で、なんで今「ある程度」って言ったかというと、数値化したりとかはしてくれてなくて、言葉を重ねて説明してくれてる本だからなんですが、ぼくも絵を描いたり美術館に行ったりするのが好きな人間なので、その辺りの感覚はやっぱり数値化はできるもんじゃないなーと思ってる節があるので、そう言った点では「うんうん!」と納得と共感をしながら読み進めていきました。

美術作品とかも「わかる人が見たらわかる」みたいな、特権的な言い方や、「やったもんがち、なんでもあり」みたいな、突き放して思考停止するようなのもどっちも寂しいなって思うんですよ。

その辺りを丁寧に言葉を尽くして橋をかけてくれてる感じがする本で、あー次いく美術館や雑貨屋さん、今まで以上に楽しめそうだなー、とか思わせてくれた本でした。