今日は恩田陸さん著の小説『珈琲怪談』を読んだ感想を書こうと思います。
登場人物は主に、音楽プロデューサーの塚崎さん、作曲家兼スタジオミュージシャンの尾上さん、外科医の水島さん、検事の黒田さんの4人です。
この4人が、不定期に休日を合わせて喫茶店に集まって、持ち寄った怖い話を披露するという、そんなお話でした。
で、持ち寄った話が怖いか?って言われたらそんなでもない話もあったり、登場人物たちも「怖い話かどうかわからないんだけど…」とか言いながら話し始めたりするんですが、そんな様子がこの物語の1番の魅力だなーと思ったんです。
全員、それぞれの業界でそこそこのキャリアを積んだいい歳のおっさんで、それぞれの仕事や生活があって忙しいはずなんですよね。
にもかかわらず、わざわざ「喫茶店に友達と集まって怪談話を披露する」ために休みを取るっていうのが、現実には、できそうでなかなかできない、ともすればやろうという発想すら浮かばない、ものすごく豊かなことじゃないですか。
そんな豊かな時間に相席させてもらってるような気持ちになるのが、このお話の魅力だなーと思ってしまいました。
思いつきで有給を取って、学生時代の友達と会って、どうということのない話をしたいな、と思わせてくれる、そんな小説でした。
