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「蜜蜂と遠雷」は天才たちの友情・努力・勝利な爽やかストーリーでした。

こんにちは。呼吸をするようにお絵描きがしたいりとです。

なのになんと愛用のペンタブレットが壊れてしまいました。いくらコードを抜き差ししようが、電源が光らないので、多分お亡くなりになられたのでしょう。

これは液タブを買えという流れなのかもしれませんが、ぼく先日新しいMac mini買ったばかりなんですよね!!

というわけで、いつもの漫画が描けないので今日は久しぶりに最近読んだ本の感想を書きますよ。

500ページを超える上に二段組みの「蜜蜂と遠雷」でも読み出したら止まりません

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 パラパラっとめくると「おおう…こいつぁ覚悟がいりそうだぜ」って感じの重厚感がありますが、数ページ読んだらもう虜です。それくらい面白いのです。

あらすじはとっても簡単です。

3年に1度開催される「芳ヶ江国際ピアノコンクール」という、ピアニストになるための登竜門に参加する若者たちの、エントリーからはじまり、3次までの予選と本選、結果発表までの数日の物語です。

トーリーとしてはとっても簡単なのですが、物語の主軸になる4人のコンクール参加者がとても魅力的なんですね。

4人の魅力的主人公さんたち

1人目は謎の少年、風間塵くん。彼は養蜂家の父親の仕事を手伝っている関係で、ハチと一緒に各地を転々としています。なので、ピアノどころか家すらない、音楽学校どころか、普通の学校にも行っていないのです。

でも彼は、実は審査員たちが皆リスペクトしている、近年亡くなったピアノ界の巨人、ユウジ・フォン=ホフマンにピアノを教わっていたのです。しかも弟子を取らないことで有名だったホフマン氏が、家のない塵くんのためにわざわざ出向いてピアノを教えていたというから審査員たちは驚きです。さらにホフマン氏は今際の際に「爆弾を用意した」と言っているのです…これは塵くんのことなのか!?

 

2人目は、子供時代に「天才少女」と言われ、ジュニアのコンクールを総なめにした経歴のある栄伝亜夜さん。

しかし彼女は13歳の時に突然ピアノ界から姿を消します。

ピアノのマネジメントからプライベートに至るまで全てをバックアップしてくれていたお母さんを亡くしたからです。亜夜さんにとって、お母さんの死はピアノを弾く理由の喪失でした。その後彼女は、普通の中学高校を卒業するのですが、母の知人の有名音大の学長が、何気なく弾いた彼女のピアノの演奏を聴いて驚愕、「うちの大学へ来ないか?」となりピアノの世界へ戻ってくることになりました。

 

3人目は、かつて音大でピアノをガンガンに引きながらも、卒業後は楽器店に就職。サラリーマンとして結婚し、子供も授かって普通の生活を送っている高島明石さん。

「これでいいんだ」と思いながらもずっとくすぶっている自分の心の中のピアノに対するモヤモヤとした思いにけじめをつけるために、年齢制限ギリギリの28歳のタイミングで、コンクールに参加します。

 

4人目は、優勝候補と囁かれている、名門ジュリアード音楽院からやってきたイケメンのマサル・C・レヴィ=アナトールくん。彼は子供の頃、日本で生活を送っていますが、そこでハーフのマサルくんは「異質なもの」としていじめを経験します。そんな彼を支えてくれていたのが、近所に住んでいた女の子。

その子は、マサルの中の音楽の才能に気付き、自分が通っていたピアノ教室にマサルくんを引っ張っていきます。そこで楽しくピアノの才能を開花させていたのも束の間、突然の海外への引越し。「ずっとピアノ続けててね」という女の子との約束を守って、マサルくんはここまでたどり着きます。

 

てな4人なんですよ!

どうですか?魅力的じゃないですか?

ピアノの演奏を表現するための美しい言葉とピアノ業界に対する問いかけ?

ピアノの演奏を競う物語なわけじゃないですか。でも、本から音って聞こえてこないですよね。なので、どんな演奏なのか、言葉で表現されるのですが、それが本当に美しいのです。やばいです。これは逆に、「実際に聴こえないからこそ」の演出だなー、と思いました。ものすごい想像力が働きます。

それから、物語の軸になる4人って、音楽界に対する権威とでもいいましょうか、小さな頃から血の滲むような練習をして、そのためにたくさんのお金と時間と場所(つまり家柄)が必要で、ちゃんとした音楽の教育を受けてきて、みたいな、そういった部分から外れる場所がちょっとずつあるんですね。

その辺のことあんまり詳しくないのですが、多分意図的にピアニストになるための型みたいなところから外してるんだろうなー、と思いました。そこがまた魅力でした。

明石さんがやばい

最後に、やっぱどうしても個人的に明石さんに感情移入してしまいます。かつてピアノのコンクールで入賞したこともあるけれど、食っていく自信はなくてサラリーマンになった明石さん。普通の社会人として幸せに暮らしているはずなのに、なんかくすぶってる明石さん。これまでの自分にけじめをつけるためにコンクールに参加して、自分より若い天才たちに打ちのめされながらも、一生懸命ピアノを弾く明石さんの姿は、正直言って泣けました。

美術の大学卒業して、サラリーマンしながら細々美術展に出品してる身としては…重ねて見てしまう要素が多すぎる…。

 

いやー、過去最長の文字数になりました。ごめんなさい。読むの疲れますよね。

でも、ここまで読んでくださってありがとうございました。熱く語ってしまいたくなるようなお話だったんですよ!

お礼と言ってはなんですが、ぼくの描いてる漫画で多分一番人気の、この子の落書きを貼って終わります。全身が解るように描いたことないんですよね、彼女。

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